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時間と空間の旅

上田裕則

Vol.79「まだまだ暑い夏にいろいろ考えた」

この時期のコラムは毎年、困る。10月号が皆さんのお手元に届くのは9月の中旬。原稿は8月の下旬に書いている。まだまだ暑いのだけど、今年は盆休み明けと共に秋雨、夕立。気がつけば朝晩に秋の虫の声が聞こえてる。近年、長くなっている夏に焦点を当てるべきか、あるいは秋の先取りか。実に悩ましい。

ということで最近悩ましいと思っていることをいくつか。

まず秋の味覚、サンマ。漢字で書くと秋刀魚。すごいね。秋の刀の魚ですよ。見た目、そのまんまですが、昨年あたりからちょっと細め(羨ましい)。というのも、東アジア各国の国民が秋刀魚の美味さを知ったため。公海上で獲りまくっている。なんとかかの国の網の目をくぐった幸運? な秋刀魚が日本にやってくる。なので昨年あたりから高根の花になりつつある秋の味覚。果たして、今年は味わえるでしょうか?

石川の星稜高校、惜しかったですね。〝ここで優勝できないのが星稜〟なんてスポーツ紙の見出しもありましたが、ちょっと待て。そもそも高校野球は高校の部活動。それが日本国を代表する夏の一大イベントになってる。連日の猛暑で昼間の運動は控えましょうと注意喚起しながら全試合生中継する不可思議さ。それを見て、あるいはラジオで聞いて、一喜一憂している自分。間違ってません?「今日も猛暑の中、熱戦が行われています」って。

いっそのこと、空調が効く大阪ドームでやるってのはどうかな。雨の心配もなし。

いやいや高校野球は甲子園でないと、というかも知れない。でも吹奏楽だって震災後に普門館から名古屋に変わったわけだし、選手にも応援の生徒にも、そして観客にとっても高校野球を安全に開催するなら、大阪ドーム、いいと思うんだけどな。

地方大会だって6月、7月と二か月かけてゆっくりやりません? 部活動なんだから。そうすれば、部員の少ない学校だって思いっきりピッチャーが投げられる。

とにかく、この暑さが悩ましいわけです。

猛暑、熱波、台風、集中豪雨、竜巻、それから寒波、大雪等々、地球規模で起きている気象現象がこれまでとは全く次元の異なる状態になってる。穏やかな気象現象が少なくなって、どれもこれも極端です。しとしとぴっちゃんは過去のもの。いまではピカゴロドーン!のゲリラ豪雨。線状降水帯に記録的短時間大雨情報。

これを温暖化という一つ言葉で括ってしまうのもどうかと思うし、温暖化の先にあるのは氷河期です。地球規模の時間軸でみるといまは氷河期。たまたま温暖な間氷期に私たちはいるだけです。いつ本格的な氷期になってもおかしくないのです。目の前に見える事だけに囚われてしまうと、本質を見失います。それではいけませんよ、と星の王子様も言ってました。

何でもかんでもデジタル、数値化して人工知能を利用して、なんて言いますけど、我々、ヒトは生き物であることをお忘れなく。地肌で感じる感性を失ってはいけません。それは人間が生物として生きていくための危険察知能力。シベリアの氷河から発見される氷漬けのマンモスのほとんどが、立ったまま。しかも胃の中から消化されない食べたばかりの植物が発見されているのをご存知ですか? なぜ、マンモスは倒れていないのか。

答えは、映画デイ・アフター・トゥモローにあるかも知れません。…なんてね。

うえだひろのり
有限会社いわき損賠保険サービス代表取締役
宅地建物取引主任者
一般旅行業務取扱主任者

有限会社いわき損害保険サービス
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