双葉郡楢葉町で楽しみながら農業に励む草野公雄さんは、今年10月からやさい館に出荷を始めた生産者です。震災後、避難区域にあった自宅を離れ、いわきの仮設住宅などで生活をしていたため、楢葉に戻り本格的に農業を再開したのは約3年前。「当時は出荷できるか不安だった」と草野さんは言います。除染した安全な土壌、農作物の放射能検査もきちんとクリアし、いわきの直売所に出荷できることになって、喜びもひとしおだったそうです。 現在4反歩の畑で、季節の野菜を露地で栽培しています。昨年はさつまいもを中心に、柿、ゆず、じゃがいもなども出荷。さつまいもは味が濃く、甘みのあるホクホクの食感が評判でした。またじゃがいもは、珍しい黄爵（とうや）が人気。どんな料理にも最適で、上品な味わいが特徴です。これからの季節、新鮮でみずみずしい白菜や大根、2月頃にはキャベツも出荷する予定です。「今年はブロッコリーにも力を入れたい」と草野さん。米の栽培は6反歩、野菜の種類も増やしたいと意気込みも十分。これからが楽しみな生産者です。草野さんの野菜は、今のところ、谷川瀬、好間、平窪店に出荷中です。