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ヤマブン味噌醤油醸造元

職人の心で作る貴重な天然醸造の醤油
糀から作る天然醸造の醤油

 ヤマブンは100年の歴史を持つ醤油と味噌の醸造元。現在5代目の鈴木勇雄さんが家業を継いだのは、今から約20年前の23歳の時。代替わりした当時、お客さまは数件しかありませんでした。病弱だった父親が他界し「自分で伝統を終わらせることは出来ない」と決意し、自分が納得できる醤油作りが始まりました。
 ヤマブンの醤油は炒った小麦と蒸した大豆を混ぜる糀(こうじ)作りから始まります。糀と塩水を合わせて出来たもろみを、創業当時から受け継いでいる杉の桶に仕込み、3〜5年かけて発酵・熟成させ、やっと醤油が出来上がるという、全て昔ながらの手作業での製法、天然醸造です。
 「醤油は小麦と大豆、塩だけのシンプルな素材で作るだけに、味がダイレクトに伝わります」と、小麦と大豆は青森県産の無農薬栽培、塩は石垣島産の自然海塩と厳選し、素材にもこだわっています。

素材を美味しくする幻の醤油

 「とにかくお客さまに来てもらえるようなものを作らなくては、と悩んでいたころ、“売ってくれと頼まれるようなものを作れ”という父親の言葉を思い出しました」と鈴木さん。「醤油とは何だろう」という疑問を追いかけながら作り上げたのが、日本で一番高いと言われた醤油『五年仕込み 幻』でした。都内のデパートで行った試食会では「一丁100円の豆腐が生まれ変わったと思うほどおいしくなった」と、評価されました。料理の素材そのものを美味しくする衝撃的なヤマブンの醤油には、全国各地に根強いファンがいます。

職人の心が伝わる味

 現在720ml840円から、ご贈答用に喜ばれている3150円のものまで揃えています。販売は今でも直販が中心ですが、市内ではサティ、都内では高島屋などのデパートにも卸し、香港でも売られています。
 「たくさん売るのが目的じゃないんです」という鈴木さん。時代に流されず、手間がかかっても美味しいものを作るという思いが伝わる、“職人の心”が生きた醤油です。
※直接買いに行く方は、事前に連絡のうえ、お出かけ下さい。
■いわき市内郷御台境町坂下56
■TEL.0246-26-2015

この記事は2009年6月号に掲載されたものです。掲載当時と内容が異なる場合があります。ご了承ください。