暮らし情報

出田畳店 いでたたたみてん

確かな職人の技と柔軟なサービスが魅力の畳店
二世代に渡って継がれる畳店

 出田畳店は、二代目の出田文夫さん、三代目の一(はじめ)さんが親子二代で切り盛りする畳店です。出田畳店の創業者は文夫さんの父親で「当時父はお客さんの家までリヤカーを引いて畳を運んでいました。まさか自分が畳屋になるとは思ってなかった」と、昔を振り返りながら話す文夫さん。懸命な父親の姿を見て「手助けをしなければ」と、23歳の時、車の整備士の仕事を辞め、畳店の跡継ぎに。
 一方、一さんは『畳屋の三代目』という周囲の期待を一心に受け「物心がついた頃には畳屋になると思っていました」と言います。高校を卒業後、山形の訓練学校へ通い、畳や襖(ふすま)、網戸などの技術や知識をしっかり身に付け、いわきへ帰省。二世代目の畳店の歴史が始まりました。

見事な仕上がりの職人の技が評判

 畳は適度な弾力性と高い保温性、室内の調湿作用や空気浄化作用など、日本の風土に合った高い機能性があります。出田畳店では畳の良さを知ってほしいとの思いから、藺草(いぐさ)の栽培からこだわった畳表(たたみおもて)を使っています。熊本県八代市まで足を運び、有機質・減農薬栽培した藺草を丁寧に織り上げている生産者を厳選。良質の素材を使った見事な仕上がりと、朝引き取った畳を夕方に納めるスピーディーな対応、職人の確かな技術があるからこそできる技が評判を生んでいます。
 「今は機械での作業ですが、技術がなければ、機械も使いこなせません」という文夫さんは、畳事業協同組合の福島県副理事長・いわき支部の組合長という確かな腕の持ち主。畳職人の技術を次に伝え続けています。

細やかなサービスを大切にする現代の畳屋さん

 襖や障子、網戸のリフォーム、包丁やハサミなどを研いでくれたり、家具やじゅうたんの移動などの細やかなサービスも大切にしています。「畳はもちろん、どんなことでも喜んでくれたら嬉しい」と、一さん。出田畳店は『古きを守り、新しきを生む』現代の日本に合った畳屋さんです。
■いわき市内郷綴町金谷5-2
■TEL.0246-26-1240

この記事は2009年9月号に掲載されたものです。掲載当時と内容が異なる場合があります。ご了承ください。